今回は北アルプスの奥穂高岳(おくほだかだけ)の登山記録となります。
奥穂高へは涸沢を経由するルートが一般的ですが、「重太郎新道」を経由して前穂高岳・奥穂高岳を目指すルートを解説していきます。
奥穂高岳はどんな山か
奥穂高岳は穂高連峰の中央にそびえる盟主です。
基本情報は下記の通りです。
山名 | 奥穂高岳(おくほだかだけ) |
山域 | 北アルプス |
都道府県 | 長野県、岐阜県 |
標高 | 3,190m |
標高3190mは富士山の3776m、南アルプスの北岳の3192mに次ぐ日本第3位の高峰です。
通常奥穂高を目指す際には、涸沢(からさわ)〜ザイテングラートを経由するルートが一般的です。
経由地の涸沢カールの紅葉は「日本一の紅葉」とも言われていますので、秋は大勢の人で賑わいます。
紅葉シーズンの涸沢テント村は、夜には宝石箱とも呼ばれる絶景となります。
以上のことからも、この涸沢を経由するコースは山小屋も登山道も非常に混雑します。
自然を満喫しに山に行くのに、人混みには出くわしたくないものです。
そこで今回は、比較的利用する登山者が少ない重太郎新道ルートを紹介していきます。
出典:信州 山のグレーディング
このコースは人が少ないのはいいのですが、行動時間も長く、岩場・鎖場なども多いことから、グレーディング表でも比較的難易度の高めのコースになっています。
ルート解説(重太郎新道)
奥穂高岳へは岳沢小屋を経由して、前穂高岳・奥穂高岳2つのピークを目指します。
①上高地から岳沢小屋
まずは上高地の河童橋をスタートします。(12:30)
この時点で、涸沢ルートは別の方向に進んでいきます。
途中までは上高地らしい景色が続きます。(12:50)
ここまでは、上高地からの日帰りハイキングの方もいらっしゃいます。
ハイキングコースも終わると、いよいよ登山道に入っていきます。(12:52)
とはいえ、まだ急な登りはありません。
視界が開けてきます。(13:43)
水の音も聞こえてきて、沢沿いを進んでいることが分かります。
沢沿いをしばらく進んでいくと岳沢小屋が見えてきます。(14:48)
岳沢小屋に到着です。(14:53)
出発が遅い場合には、こちらで一泊したほうが無難かと思います。
ここから先は急登が続きますし、奥穂高岳山荘までは泊まれる場所はありません。
岳沢小屋から奥穂高まで2.5kmとありますが、登山道は厳しめなので油断は禁物です。
ちなみに、混雑している場合には、テントが貼れる場所が岩の上しかない、という事態も発生します。
そうなると平坦な場所を見つけるのは至難の業です。
テン場は予約制ではありませんので、良い場所は早いもの勝ちです。
テント泊の方は注意が必要です。
②岳沢小屋から紀美子平
岳沢小屋を出発します。(6:00)
上高地がよく見渡せますので、どれだけ登ってきたかがよく分かりますね。
ここから、本格的な登りになります。(6:05)
急登が続きますので、テントを背負っていると序盤から体力を奪われます。
ここからヘルメットを着用している人が多いです。
登りながら後ろを振り返ると、岳沢小屋がどんどん小さくなってきます。(6:16)
標高が上がっていることを実感します。
岩場で狭い箇所があります。(6:33)
大型のザックはギリギリ通れるくらいの狭さでした。
高度感を感じるハシゴ場もあります。(6:35)
このルートは下りで利用する人も(少ないですが)いるので、すれ違いには注意してください。
標高が上がってくると、視界が開けてきます。(7:35)
急峻な岩場が続きますので、岩場が苦手な人はこのルートは厳しいかもしれません。
雷鳥広場まで、あともう少し。(7:59)
相変わらずの急登が続きます。ひたすら登りで心が折れそうになります。
視線を横にすると、急峻な岩場が現れます
北アルプスらしい、堂々たる佇まいでかっこいです。
雷鳥広場に到着です。(8:08)
前穂高岳まではあと少しです。岩場をさらに進んでいきます。
紀美子平に到着です。(8:24)
皆さんこちらでザックをデポして、前穂高岳をピストンします。
サブザックがあると便利かもしれません。
岩場&急登による疲れはありましたが、ここまで来て前穂高に行かない選択肢はないでしょう。
③紀美子平〜前穂高岳
岩場を登っていきます。
前穂高から降りてくる人と頻繁にすれ違うので注意しながら進みます。
足元が崩れやすい箇所もあるので注意が必要です。
振り返ると素晴らしい景色が広がっています。
景色を堪能するのは、山頂までお預けです。
前穂高岳に到着です。(9:15)
山頂はかなり開けています。
こちらで休憩や食事を摂っている人も多かったです。
山頂からは北アルプスの山々を360度の大パノラマで見ることができます。
天気が良いとかなり遠くまで見通すことができます。
下界(上高地)の様子もはっきりみてとれます。
天気が良ければ槍ヶ岳もはっきり見ることができます。
景色を堪能したら、同じ道を戻って紀美子平まで戻ります。
紀美子平からデポしていた荷物を背負って奥穂高岳を目指します。
より厳しい岩場がつづく重太郎新道の核心部に迫っていきます。
ー後編に続きますー
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