【書評】佐田展隆『迷ったら茨の道を行け〜紳士服業界に旋風を巻き起こすオーダースーツSADAの挑戦〜』

どうもハルです。

今回は、佐田展隆『迷ったら茨の道を行け〜紳士服業界に旋風を巻き起こすオーダースーツSADAの挑戦〜』を紹介します。

著者はオーダースーツSADAの社長で、自社スーツを着ながらyoutubeで様々なチャレンジをされています。

youtubeでの挑戦を見て、著者の生き方に興味が湧き、この本を手に取りました。

本書は、著者の座右の銘である「迷ったら茨の道を行け」という言葉の意味を、仕事や生き方を通じて伝えています。

目次

人間は怠惰な生き物である

著者は人間が本来的に怠惰な生き物であるとした上で、茨の道を行くことの意義を述べています。

生きている限り、決断が必要な機会は誰にでも訪れる。

そのときには、茨の道と思える方を選択すべきだということを伝えている。

人間は怠け者である。目先の快楽に飛びつき、短期的な痛みから逃げ回る。

これは人間が動物である限り、やむをえないことである。

しかし、その怠慢心を、理性の力で抑え込めたとすると、真剣に迷っている時点で、本来、どちらの道を行くべきなのかは、実は本人はわかっている。

苦しい道を選んで得るものの方が、実は間違いがなく多いのだ。

2つの選択肢があったら、茨の道を選択すべきというのは、私の体験から導き出した心構えでもある。

引用元:佐田展隆『迷ったら茨の道を行け〜紳士服業界に旋風を巻き起こすオーダースーツSADAの挑戦〜』

著者に限らず、生きている限り、誰にでも決断の機会は訪れると思います。

生きる上での指針を持っていることは、選択を行う際に非常に役立つものになります。

茨の道を行くとは

著者は、自身の半生で学んだことを「マインドの規範」としてまとめ、全社員に配布しているという。

それは、このマインドを磨き上げることが、自分も周囲も幸せにできる道だと著者が信じているためです。

①おもてなしの心
②自責に思考
③チャレンジスピリット
④ポジティブシンキング
⑤執着心

以下、5つのマインドを深堀していきたいと思います。

①おもてなしの心

絶体絶命の時、なぜかふと助けてくださる方が現れた。

自分たちのことなど二の次で、社員のことを真剣に考えていると感じたから、佐田のためにできることは全てやろうという気になったとおっしゃってくださっている。

他者のことを真剣に思う心、利他の心が人を動かすのだと気づかせていただいた。

それ以来「おもてなしの心」を、お客様にも、会社の上司、部下、同僚に対しても、家族に対しても、そして自分に対しても、そして自分に対しても発揮できるようになれと社員に言っている。

引用元:佐田展隆『迷ったら茨の道を行け〜紳士服業界に旋風を巻き起こすオーダースーツSADAの挑戦〜』

著者はを人のために全力で動いている人には、他の人の心を動かすと思える経験をしました。

そういった経験を通じて、他者への思いやり、お客様への「おもてなし」の心を発揮できるようになるべきだと考えるようになりました。

そのためには、まずは自分自信を思いやれる心が必要だという気づきを得ます。

②自責の思考

この世の事象を、自分がコントロールできることと、コントロールできないことに明確に分けられるようになる。

その上で、コントロールできないことは、焦点を合わせても無意味なので、前提条件だと考える。

そして、その前提条件の上で、自分のコントロールできることに全力を尽くすという考え方だ。

ところが、社会を見渡すと、望まぬ結果や悪い出来事を自分がコントロールできないことのせいにし、愚痴ったり、言い訳したりする人は多い。

まず自分がコントロールできることに集中し、脇目もふらず全力を尽くすのが、幸福への近道であると、私は信じて疑わない。

引用元:佐田展隆『迷ったら茨の道を行け〜紳士服業界に旋風を巻き起こすオーダースーツSADAの挑戦〜』

自責とは「自分」を「責める」と書きますが、著者の思考法はそれとは少し異なります。

あくまで自分のコントロールできることに集中することが重要であると言います。

スポーツを例にとれば、「サッカーはどうして手を使ってはいけないのか」とか「野球はなぜ時計回りにベースを回ってはいけないのか」など、「ルール」に文句を行っても無意味なのは当たり前のことです。

そのルールの中で、自分が何ができるか、どのようにすれば最大のパフォーマンスを発揮できるかを考えることが、幸福への繋がると著者は言います。

この考え方は、意外と実践できていない人は多いのではないでしょうか。

当たり前のことですが「自分のできることに集中する」ことが重要であると、改めて気付かされました。

③チャレンジスピリット

ダーウィンの進化論はいう。

「強いものや、賢いものが生き残ってきてはいない。生き残るのは変わり続けられたものだけである」と。

これは生き物の種にだけ当てはまることではない。組織や個人も同じことである。

環境は常に変化している。

この変化に適用できず、昨日までのやり方を変えられなかった組織や個人は、淘汰されていく運命にある。

そして、昨日までのやり方を変えようと思うと、新しいことにチャレンジしなければならない。

そこに必要となるのが、チャレンジスピリットだ。

引用元:佐田展隆『迷ったら茨の道を行け〜紳士服業界に旋風を巻き起こすオーダースーツSADAの挑戦〜』

環境は常に変化しており、その変化に対応するためには、挑戦が必要であると著者は言います。

しかし、リスクを無視した無謀な行為はチャレンジスピリットあふれる行為とは呼ばれません。

冒険家の三浦雄一郎氏は、「私が80歳を超えてエベレストに登れたのは、臆病者だからだ」と言う。

つまり、重要になるのは「リスク察知能力」なのだ。

豊富な知識と経験に裏付けられた、磨き上げられた「リスク察知能力」を持っていたから、この歳になってもエベレスト登頂に成功したのだと。

引用元:佐田展隆『迷ったら茨の道を行け〜紳士服業界に旋風を巻き起こすオーダースーツSADAの挑戦〜』

必要なのは、ただ闇雲にチャレンジすることではありません。

それに伴う、リスクも正しく察知する必要があると言います。

磨き抜かれた「リスク察知能力」を持つものは、多くのリスクに気づき、そこから多くの恐怖を感じる。

この恐怖を乗り越えるための「勇気」も同時に必要となるのだ。

「リスク察知能力」と「勇気」を、双方高い水準で兼ね備えたものだけが、チャレンジスピリット溢れし者と呼ばれるのである。

引用元:佐田展隆『迷ったら茨の道を行け〜紳士服業界に旋風を巻き起こすオーダースーツSADAの挑戦〜』

リスクを正しく分析した上で、チャレンジしなければ、その挑戦は失敗に終わる可能性が高いと言えます。

成功するためには正しい努力をする必要があります。

そのためにも、これは特に必要なマインドだと感じました。

④ポジティブシンキング

ポジティブシンキングとは、ネガティブな事柄を、とにかく忘却の彼方に悪れさり、常に大笑いをしていること言うのであろうか。

私は絶対に違うと思う。

ポジティブシンキングとは、ネガティブな事象から目を離さず、正面から受け止めた上で、どうやって自分をポジティブに持っていくかの技術のことをいうと思う。

引用元:佐田展隆『迷ったら茨の道を行け〜紳士服業界に旋風を巻き起こすオーダースーツSADAの挑戦〜』

著者は、ポジティブシンイングをできるようになるためには、必要な力が2つあると言いいます。

1つは解釈の力だ。

どんなネガティブな事象も、特に中長期的な味方をすれば、ポジティブな解釈は成立すると考えている。

「失敗」をひっくり返せば、「教訓」になるように、我が祖父も「厄落とし」と言う言葉を口癖のように使っていた。

ここで役を落とせたから、次は福がくるぞ。よかったなという意味だ。

もう一つ必要な力がある。

世界三代幸福論の一つである、アランの「幸福論」の最も有名な一説は言う。

「悲観は気分に属する。楽観は意思に属する」と。

つまり強い意志の力も必要だということだ。

まとめると、ポジティブシンキングとは、強い意志の力で、楽観的な解釈ができるようになることだと考えている。

引用元:佐田展隆『迷ったら茨の道を行け〜紳士服業界に旋風を巻き起こすオーダースーツSADAの挑戦〜』

失敗は成功の過程であると良く言われます。

解釈次第で「失敗」とも「成功」とも捉えることができます。

それならば、なるべく良い方に物事を解釈することが重要になってきそうです

このマインドからもポジティブに物事を捉えられるかは、自分の意志次第であることが良く分かります。

⑤執着心

人間は必ず壁にぶつかる。

その時、すぐに諦めてしまっては、大きな仕事など成し遂げられるはずがない。

小さい頃に読んだ伝記に出てくる偉人の中で、一人として執着心を持たない者がいるだろうか。

世界の発明王エジソンは、白熱電球発明までに1万回実験に失敗したと書かれている。

大衆自動車の生みの親とされるフォードは、三回事業に行き詰まり、4社目でT型フォードを世に送り出している。

カーネルサンダースは十回以上事業に行き詰まり、六十二歳の創業でケンタッキーフライドチキンのフランチャイズ展開に成功。

ウォルトディズニーが成功したのも3度の倒産を経験した後である。

引用元:佐田展隆『迷ったら茨の道を行け〜紳士服業界に旋風を巻き起こすオーダースーツSADAの挑戦〜』

先ほどのポジティブシンキングとも通じますが、まずは諦めない心が重要ということでしょうか。

過去の偉人たちも不屈の精神を持っていたようですね。

パナソニックの創業者、松下幸之助はいう。

「執着心なきものは困難から考え、執着心あるものは可能性から考える」と。

1%でも可能性があれば、そこに焦点をあてて進めば良い。

それはつまり百回繰り返せば成功するということなのだから。

引用元:佐田展隆『迷ったら茨の道を行け〜紳士服業界に旋風を巻き起こすオーダースーツSADAの挑戦〜』

可能性を見出したのであれば、どんなに道のりが遠くてもチャレンジをし続けることが重要ということですね。

全体を通して

著者の経験を通じて、5つのマインドを見てきましたが、一つ一つが非常に共感できる内容になっています。

5つのマインドは実行することは容易ではありません。

しかし、何かを成し遂げようとした場合には、困難さを正しく認識して努力するしかありません。

5つのマインドを逆に捉えると、成功しない人は「利己的で、他責で、チャレンジをせず、ネガティブで、すぐに諦める人」ということになります。

非常に耳が痛いですが、このような生き方に憧れを抱くことはできません。

「茨の道をいく」

何かの選択を迫られた際には、この言葉を思い出してみようと思います。

この言葉を道標に人生を歩いていくのも、悪くないなと本書を通じて感じました。

最後に

著者の挑戦の動画リンクを貼っておくので、興味が湧いた方は是非ご覧ください。

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この記事を書いた人

30代サラリーマン | 本業に未来を感じられず、2022年5月〜仮想通貨ブログ開始 | Web3.0 | NFT | 会社に頼らない働き方 | ネットで稼げる力を身につけるため奮闘中 | 未経験から0→1を達成する過程を発信

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